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自然ふれあいの場、意見のキャッチボール

ここでは自然に関するテーマについて意見を述べあう場として設けています。
自然について思ったことや気づいたことがありましたらメールにてどしどしお送り下さい(お問い合わせにて)。 尚、送られた方の意見につきましてはこのコーナーにて掲載致します(意見を投稿される方につきましてはペンネーム、実名、匿名でも構いません) 但し、この自然ふれあいの場のテーマに極端にそぐわない場合(弊社の方で判断させて頂きます)は掲載しない場合があります。ご了承下さい。

- 第二回 -
密猟

日本の三鳴鳥(ウグイス.オオルリ.コマドリ)と私の記憶にあるが、ところによっては違うかもしれない。新緑の中で聞く野鳥の囀りは鳥に興味のない人でも心が安らぐものです。数十年も前になるが奈良県と和歌山県境の大台ヶ原で初めて聞いたコマドリの囀りは今でも耳の奥に残っています。
  ところで、鳥見経験の長い人なら一度や二度、密猟の場に遭遇したことがあるかもしれない。いろいろな人から話を聞くと「うろたえて」その場からそっと離れたり、的確に注意をすることができなかったと言うのがほとんどである。密猟者は怖いと言う意識が働くためである。慣れないと無理もない話である。県の鳥獣保護員をうけて今年で33年目になり、冷や汗をかくこともありました。                                      

-経験談を少し-

経験談その1
巡視の途中、目線の高さの木の枝に鳥かご、中にシジュウカラ、その近くにちょっと怖そうなお兄さん。おもむろに腕に腕章をした私が「この鳥籠はあんたのか」と聞くと「違う」と返事がかえってきた・・・。
そんなわけがあるはずがない・・・誰もいない林道・・・ムカツク・・・すると相手もムカツイテいるようだ・・・「じゃましやがって」という顔つきである・・・。
鳥籠のまえで腕組みして動かない私。お兄さんも私をにらみつけ腕組み。危険な状況・・・・。
そのころ、私は「少林拳」に燃えていた。道場の師範代を務め、殴りあったり蹴り合ったりするのがおもしろいころであった。「ニイチャン」少しも怖くない・・・。
私が用をたそうとしたとき、シビレをきらしたニイチャンは鳥籠をさっと車に積むと下山し始めた。私はこの車を追尾して麓の駅近くまで追うようについて走った。
今考えると無茶をしたものだ・・・。こんな対処の仕方は悪い例だといえる。

経験談その2
パッ、パッと乾いた音がする。広い林道の車寄せの林縁部の小枝にメジロの鳥籠・・・・・。近くに高級車があり、車に隠れて空気銃を構えた一見、紳士風の男がおとり駕篭に集まってくるメジロを狙い撃ちにしていた。 
保護員手帳を提示し、強い口調で捲し上げた・・・・・。
顔色が青ざめたこの男、「すみません」のイッテンバリ・・・。身分を強引に聞くと、なんと某○○総合病院の副院長であった。開いた口がふさがらないとはこのこと・・・。
度が過ぎる違反であるが、身分もあることだし警察への連絡はせずに、県の担当に連絡。後日、始末書をとられ、きつい説教をうけたとの報告を受けた。
現場でのその医者の言葉・・ストレスがたまるとのこと。如何にストレスがたまるとはいえ人の命を預かる仕事、生き物を殺して解消とは・・・こんな医者にはかかりたくないものです・・・。血に染まり側溝に投げ込まれたメジロの哀れな姿はいまでも忘れられない。    
33年間まだまだいろいろあるけれどこのくらいで・・・。

-密猟現場での対応-

冷静を装い、さも鳥好きのように当人に近づき、状況を判断したのち、違反者であれば、その場を離れ、ケイタイで県の担当より警察に連絡することをすすめる。昔は取り合ってくれなかったが今は対応してくれるはず・・・・・。
正当な捕獲であれば捕獲許可書を携帯しています。箱罠以外は捕獲違反。
私の場合、走行中違反現場に遭遇した場合、車の中で腕章をはずし、少し離れたところに車をとめ、さも、同類のような話し方をして安心させた後、腕章と手帳を提示します。よほどの人間でないかぎり本音で対応してくれます。ほとんどは鳥好きな人で「わかっているけどやめられない」という感じである・・・・・。
密猟の現場に遭遇した方で私はこんな経験がある、こんな風に対処したなど、参考にしたいと思いますのでお教えください。

-参考-

2005年現在、福岡県の飼養鳥はホオジロ、メジロの二種だけ許されています。飼養する場合、捕獲許可をとり、一世帯に一羽の飼養が許されます。ただし、一年更新。

鳥獣保護員
県の非常勤公務員。有償。担当地区を巡視。月に一回報告書提出。密猟の取り締まり、狩猟取り締まり、自然保護の啓蒙普及を目的とする。  カッチョ                    


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